待遇は悪くないのに、なぜ決まらない? 20代が入社前に知りたい仕事の中身
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こんな方へ20代の中途採用で、求人票や面接で何を説明すれば入社後の働き方が伝わるか考えている採用担当者
「給与も休日も説明したし、面接の手応えもあった。それでも入社には至らなかった」。そんなとき、待遇を見直す前に、応募者に仕事の中身がどこまで伝わっていたかを振り返ってみてください。求人票の「未経験歓迎」から、入社初日に何をするか、誰に教わるか、半年後にどんな仕事を任されるかまでは分かりません。
応募者が休暇や勤務時間について細かく聞くと、採用担当者は条件を何より重視しているように感じるかもしれません。ただ、続けられる生活かを確認したうえで、やりたい仕事かを考える人もいます。企業と20代の転職希望者への調査から、どんな情報を、いつ伝えると判断しやすくなるかを考えます。
この記事のポイント
- 企業が重視されると考える情報と、20代の転職希望者が重視すると答えた情報では、順位に違いがある。
- 求人票の職種名に加え、入社後に担当する仕事、教える人、繁忙期や兼務の実態を伝える。
- 面接では、働くうえで先に確認しておきたいことを、応募者本人に聞く。
この記事の目次
企業は「給与・待遇」、応募者は「業種・職種・仕事内容」
学情が2026年春に行った調査では、約4社に3社が20代の中途採用を難しいと回答しました。自由回答には、応募者から休暇の取りやすさをよく聞かれる、福利厚生に関心が集まっているように感じる、といった声があります。 学情「キャリア採用動向調査2026」 学情「20代のキャリア採用に関する企業調査」
同じ学情が10月に公表した別の調査では、入社先を決める際に応募者が重視すると企業が考えた項目の1位は「給与・待遇」で65.1%。20代の転職希望者自身が挙げた1位は「業種・職種・仕事内容」で53.2%でした。有効回答は求職者186人、企業・団体281社です。 学情「転職意識調査レポート2026」
同じ調査でも、転職を考えた理由は経験年数で違います。職歴3年未満の第二新卒では、自分に合う社風の会社で働きたいという回答が33.0%で最多。職歴3年以上の層では、給与・年収を上げたいという回答が48.1%で最多でした。待遇も、職場の相性も、仕事内容も、重みは人によって変わります。 学情「転職意識調査レポート2026」
会社が「当然」と思う仕事を、応募者は知らない
小さな会社では、営業事務が忙しい日に発送を手伝ったり、店舗スタッフが月に何度か別店舗を応援したりします。社内では当たり前でも、応募者が想像している仕事と食い違いやすいところです。月に1回の応援なのか、毎日のように担当するのかによっても、入社後の働き方は変わります。
東京しごと財団が紹介する従業員17人の製造業、ユーティーオーでは、募集すると応募も採用もできる一方、入社後のミスマッチから離職が続いていました。代表は、本来の担当以外の仕事も頼むことがある点などを背景に挙げています。同社は仕事内容を詳しく説明するよう採用ページを書き直し、そこから応募した営業事務スタッフを採用。入社後も定期的に面談し、互いの認識にずれがないか確かめています。 東京しごと財団「入社後のミスマッチをなくしたい」
求人票に「入社して最初にやること」を一つ書く
実際に新人を受け入れる人に、最近入った社員が初日、1か月目、独り立ち前に何をしたかを聞いてみます。担当する仕事が多いなら、普段いちばん時間を使う業務と、忙しい時期だけ担当する業務を分けて書きます。
| 求人票に書きがちな言葉 | 具体的に伝える内容 |
|---|---|
| 未経験歓迎 | 最初に担当する作業、教える人、困ったときに確認できる相手 |
| 幅広い業務をお任せ | 普段の主な仕事、繁忙期に手伝う仕事、その頻度の目安 |
| 休みが取りやすい | 希望休の出し方、シフトの確定時期、土日勤務がある場合の頻度 |
| 若手が活躍できる | 最近入社した人が、どんな順番で仕事を任されるようになったか |
たとえば、営業事務の募集なら、こんな書き方ができます。
主な仕事は、注文内容の入力と納期の確認です。入社後は、先輩と注文メールを見ながら入力を覚えます。慣れてきたら、取引先への納期の連絡も担当します。月末の繁忙期には、出荷前の伝票確認を手伝うことがあります。
細かい手順をすべて載せる必要はありません。応募者が、今の自分でも覚えられそうか、期待している仕事に近いかを判断できる具体例を選びます。

面接で「働く前に知りたいこと」を先に聞く
「何か質問はありますか?」だけでは、待遇や人間関係の質問を切り出しにくい人もいます。「仕事内容や働き方で、入社を決める前に確認しておきたいことはありますか?」と聞くと、質問のきっかけをつくれます。
応募者から「土日に休めますか?」と聞かれたら、実際の勤務と申請方法を答えます。たとえば「土日の勤務は月に2〜3回です。翌月の希望休は毎月15日までに出して、25日ごろにシフトが決まります」。月による差や繁忙期の例外があるなら、一緒に伝えます。
仕事の話では、「午前中は受注をまとめ、午後に納期の問い合わせへ対応します」のように、普段の1日を順番に説明します。面接担当者に分からないことは、配属先に確認して、回答する日を伝えます。
「職場の雰囲気」は、一緒に働く人の話で伝える
「雰囲気が良い会社です」と言われても、応募者が気になるのは、忙しいときにも質問できるか、誰が最初に仕事を教えてくれるかといった場面です。職場を短時間見学できるなら、配属先の社員に、最近新人へ教えた仕事と、慣れるまでに苦労しやすいことを一つずつ話してもらいます。
パーソル総合研究所の新卒就活調査でも、2025年のインターンシップで仕事の忙しさや厳しさを知れたことが、企業理解に結びついたと報告されています。対象は新卒就活ですが、良いところと忙しい場面の両方を伝えるという点は、中途採用の面談を考えるヒントにもなります。 パーソル総合研究所「新卒就活の変化に関する定量調査」
掲載前・面接前の確認リスト
- 最初に担当する仕事を求人票に一つ書いた。
- 主な業務と、兼務・応援が発生する場面を現場に確認した。
- 教える人、仕事を覚える順番、質問先を説明できる。
- 希望休や残業について、実際の勤務例を答えられる。
- 面接でよく聞かれる質問を、次の求人票や面接の説明に反映する。
※資料は2026年11月6日に確認しました。求人票と面接の文例は説明用です。
出典・確認した公的情報
編集:シャイニー / 制度の確認: