外国人採用を紹介会社に頼む前に。手数料・支援費と契約の確認点
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こんな方へ外国人の正社員採用で、紹介会社や登録支援機関との契約を検討する企業の方へ
外国人を正社員として採用したい。候補者探しや手続きに詳しい紹介会社へ相談するとき、気になるのは「紹介料はいくらか」ではないでしょうか。ただ、採用時の金額だけでは、入社後に何を任せられるか、追加の支払いがあるかまでは分かりません。
これまでの記事では、在留資格の確認、職場での受け入れ、長く働くための備えを取り上げました。今回は、会社が本人を直接雇用する採用で、紹介会社などと契約する前に確かめたいことを整理します。特定技能1号の支援に関する説明は、その在留資格で受け入れる場合に限るものです。
この記事のポイント
- 有料職業紹介の許可と、登録支援機関の登録は別。誰に何を依頼する契約かを確かめる。
- 紹介手数料、継続する支援費、実費や追加費用を分け、発生する条件まで比べる。
- 早期退職時の返戻金や別ルートで採用した場合の扱いは、契約書と規約を手元に残して確認する。
この記事の目次
その会社は「紹介」と「支援」のどちらを担う?
最初に、候補者を紹介する事業者と、採用後を支援する事業者の名前を確認します。相談窓口が一つでも、契約先や請求元が別法人になっていることがあります。
有料職業紹介を依頼する場合は、職業紹介事業の許可を確認します。登録支援機関の登録番号だけでは、職業紹介の許可を確認したことにはなりません。 厚生労働省も、登録支援機関であっても職業紹介を行うには別途許可などが必要と説明しています。
有料職業紹介事業者の名称・事業所・許可番号は、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」で照合できます。特定技能1号の支援を登録支援機関へ委託する場合は、出入国在留管理庁が公表する登録簿でも確認しましょう。求人広告の掲載など、情報提供をするサービスとは仕組みが異なるため、サービス名だけで判断しないことが大切です。
特定技能1号を受け入れる企業には支援計画の作成や支援の実施が求められ、登録支援機関へ委託する方法もあります。一方、外国人を雇う会社がすべて登録支援機関との契約を必要とするわけではありません。対象者の在留資格を伝え、必要な業務を先に整理してください。
見積りは「採用時」と「入社後」に分けて比べる
「採用まで一式」「月額サポートあり」といった説明を受けたら、内訳と対象期間を出してもらいます。比較するときは、同じ採用人数、同じ支援内容、同じ期間にそろえると違いが見えやすくなります。
次の表は、シャイニーが整理した見積り確認の例です。すべてが必要な費用、すべてが法律で定められた料金という意味ではありません。
| 見積りの項目 | 契約前に聞いておきたいこと |
|---|---|
| 紹介手数料 | 定額か、年収などを基に計算するのか。計算に含む手当・賞与と、消費税の扱いはどうか |
| 発生・支払いの時期 | 内定承諾、入社など、どの時点で発生するか。入社延期や就労開始に必要な許可が得られない場合はどうなるか |
| 継続する支援費 | 月額の対象業務、開始月・終了月、休職や長期不在時の扱いはどうか |
| 手続き・通訳などの費用 | 誰が担当するか。基本料金に含む範囲と、別途依頼する場合の料金はどうか |
| 住居・移動などの実費 | 何を誰が負担するか。見積り外の費用を、誰の承認で追加できるか |
例えば、紹介手数料だけを見ると安い会社でも、自社で必要とする相談対応や通訳が別料金なら、想定する支出は変わります。反対に、自社で対応できる業務まで含む提案なら、その部分を依頼する必要があるか話し合えます。金額と一緒に、社内に残る作業も比べましょう。
2025年4月から、職業紹介事業者には、一定の紹介手数料実績を人材サービス総合サイトで公開するルールが設けられています。対象は原則として実績の多い上位5職種で、常用就職の実績が10件以下の場合は掲載不要です。公開情報は比較の参考になりますが、今回の契約価格を示すものではありません。表示がないという理由だけで違反とも判断できません。
早期退職時の返戻金は、条件まで確認する
返戻金は、契約で定めた条件に該当したときに紹介手数料の一部などが戻る仕組みです。「返金制度あり」と書いてあっても、退職すれば必ず全額が戻るとは限りません。
職業紹介事業者には返戻金制度に関する事項を明示する義務があります。ただし、この明示義務は、どの契約でも同じ割合の返金を受けられるという意味ではありません。 厚生労働省の求人者向け資料でも、早期離職時の返戻金を詳しく確認するよう案内しています。
- 対象期間は、何の日から数えるのか。
- 本人の退職、会社からの解雇、入社前の辞退などを、それぞれどう扱うのか。
- 返金割合、返金の対象となる料金、対象外の費用は何か。
- 連絡期限、提出書類、返金までの期間はどうなっているか。
- 別の候補者の紹介で対応する制度の場合、現金の返金とはどう違うのか。
これは契約を読み合わせるための確認例です。自社の採用条件と合わない点は、申込み前に説明を求め、変更の合意があれば記録に残してください。支払いに疑問が出たときも、まず契約内容と事実関係を整理して事業者の相談窓口へ伝えましょう。

別ルートの応募や違約金の扱いも先に聞く
以前から直接応募していた人を紹介された、二つの紹介会社から同じ候補者が来た、いったん辞退した人から後日連絡が来た。こうした場合の扱いも、契約前に確認したい点です。
紹介手数料が発生する採用の範囲、過去の紹介から数える期間、重複した応募を伝える期限などを聞いておきます。自社でも応募日・紹介日・連絡の経緯を記録し、窓口を一本化しておくと、担当者が変わったときも事情を説明できます。
2025年4月以降の求人申込みでは、職業紹介事業者が違約金規約を設けている場合、その金額や発生条件、解除方法などを、求人者にあらかじめ分かりやすく明示することが求められます。契約更新や、採用辞退後に別ルートで採用した場合のルールも確認対象です。
規約は、そのとき説明された文面を後から読み返せる形で受け取ります。厚生労働省のQ&Aも、手元に残るなど再読できる状態を重視しています。見積書、契約書、規約、追加の説明メールを同じ場所へ保存しておきましょう。
特定技能1号の義務的支援費は、本人に負担させない
特定技能1号では、支援計画に基づく義務的支援に必要な費用を、受入れ企業などが負担します。登録支援機関への委託費を含め、本人へ直接・間接に負担させることはできません。 給与から差し引く、別の名目で本人から集めるといった運用にも注意が必要です。
義務的支援には、生活上の説明や相談対応などが含まれます。これらに必要な通訳の確保についても、出入国在留管理庁のQ&Aは受入れ機関の負担としています。見積りの「支援一式」が何を含むかを確認し、担当者間で同じ理解にしておきましょう。
一方、住居の家賃など、本人が負担できる実費まで一律に会社負担になるわけではありません。紹介料、支援の実施費、家賃などをまとめて「外国人採用費」と呼ぶと、負担の整理が曖昧になります。費目ごとに、その内容と負担者を確認してください。
契約後の窓口と、終了時の引継ぎを確認する
費用の内訳が分かったら、実際に対応する人と方法を聞きます。営業担当者の説明だけでは、入社後の相談先が具体的に見えないこともあります。
「相談対応あり」なら、本人が使える言語、受付時間、休日や緊急時の連絡方法、企業へ報告する範囲を確認します。「手続きも対応」なら、必要書類の案内、作成、申請のどこまでを誰が担当するかを明らかにします。
支援の報告を受ける社内担当者も決めておきましょう。職場の教え方や勤務状況について、外部の支援担当者が知る必要のあることを、誰が伝えるかも考えておきたい点です。
委託先の変更や契約終了を想定し、通知期限、最終請求、相談記録などの引継ぎ方法も確認します。特定技能1号の支援が必要な場合は、契約終了と同時に支援を途切れさせない体制の準備が必要です。外部との契約を、社内の受け入れ担当者を決める機会にもしてください。
契約前に、何を手元に残しておく?
打合せの最後に、次の資料がそろっているかを確かめます。
- 契約する法人と、紹介・支援など各業務の担当が分かる資料。
- 費用の内訳、発生条件、支払い時期を示した見積書。
- 返戻金、違約金、更新・解約の条件を含む契約書と規約。
- 支援を委託する場合の業務範囲、相談窓口、引継ぎ方法の説明。
口頭の説明と契約書で違うところがあれば、その場で確認します。候補者と会う前に依頼する仕事と条件を整理しておくことが、採用後も連絡を取りやすい関係をつくる出発点です。在留資格と実際の仕事内容の確認は、関連記事「外国人を正社員として迎えるまで」もあわせてご覧ください。
※資料は2026年11月3日に確認しました。見積りの比べ方や質問例は実務上の提案で、法定の料金表や必須書式ではありません。必要な支援や手続きは在留資格・採用経路等で異なります。個別の許可・支援の判断は管轄の労働局や出入国在留管理局等へ確認してください。
出典・確認した公的情報
編集:シャイニー / 制度の確認: